じっちゃん猫

我が家の最も愛された居候猫、じっちゃん猫。

家の周りを縄張りにしてた高齢の猫です。

こいつは本当にいい猫でした。

もう猫の鏡です(笑)

じっちゃんが来てからは家の周のにうっとしい乱暴な野良猫は全て追い払ってくれました。

普通はここで自分がデカイ顔してのさばるんですが、じっちゃんは決してそんなことはせず、おとなしい猫や弱い猫には手を出したりしませんでした。

家の猫が外に出ても絶対イジメるなんて事もしなかったですね。

まさにじっちゃんによって猫界の秩序が保たれていました(笑)

もう死んだんですが、もみじって猫を買ってたんです。

こいつは体もがっしりしてて頭も良くて気がつよくて喧嘩っ早いオスで我が家のボス的存在でした。

家猫なのに半分野良と化していたもみじは家の周囲全体を自分の縄張りとして君臨してたんですが、他所からやってきたもっと大きな黒い野良猫にその地位を脅かされます。

まあ基本デカイものが強いので喧嘩で負けたもみじは一番ではなくなり、黒い野良を避けながら行動する訳です。

もみじの勢力が削がれた今、家の庭も黒猫の縄張りと化しちょくちょく訪れては悪さをするんで困ってたんです。

そんである日庭で猫の喧嘩声がするので除いてみるとあの黒猫が!

こいつまた他の猫を苛めているのかと思いきや、黒猫の視線の先にはじっちゃんがいるのです。

ああ、じっちゃんがやられちゃうと思って見ていたんですが、じっちゃんは全くビビる様子が無く、実に堂々と相手を見据えていました。

そしてゆっくりと黒猫に近づくじっちゃん。

後ずさる黒猫。

なんかもうじっちゃんからバリバリオーラが出てました(笑)

相手は完全にじっちゃんの気迫にのまれて戦うこともせず、逃げ出してしまいました。

いやあ、じっちゃん凄いです、胆の座り方が違います。

じっちゃんは高齢で相手より体が小さいので、本気で戦えば多分負けたでしょう。

でも心では明らかにじっちゃんの勝利です。

おとなしいんだけど、じっちゃんの顔は精悍そのもので、目は今まで野良として戦いながら生きてきたことが一瞬で分かる鋭いものです。

なんか礼儀正しくて一本筋の通った極道って感じです(笑)

もみじもじっちゃんには決して喧嘩を売ろうなんてしませんでしたしね。

じっちゃんも賢い猫なので、居候としての自分の身分を心得ており、家や家の猫には悪さはしまいと決めてたんだと思います。

けど高齢だったことと何かの喧嘩で負ったであろう大きな傷が原因でだんだんと痩せ細り、気がつけば家の周りから姿を消していました。

おそらく、だれにも見つからないところで最後を迎えたのでしょう。

最後まで仁義溢れる猫でした。

後にも先にもこんな猫は来ないと思いますが、とりあえずいつも堂々として猫界の秩序を保ってくれていたじっちゃんには感謝です。

ゆっくり休めよ。